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著者なりの相場観を綴ったもので、実際の投資および取引に関する最終決定は、お客様ご自身の判断において行われるようお願い致します。

円買い逆流、90円回帰シナリオ

㈱T&Cフィナンシャルリサーチ 代表取締役 吉田 恒

円買いが今年最大規模に拡大してきたようだ。こういった中で、米金利上昇が続くようだと、米ドル買い戻し、円売り戻しが続きやすくなっているということはあるだろう。

◆年初来最高を更新してきた円買い
CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、投機筋の円ポジションは、7月6日現在で3.7万枚のネット・ロング(買い持ち)となり、今年に入ってからの最高だった3月2日に記録した3.2万枚を上回ってきた。ドル安・円高は7月初めに一時86円台へ突入したが、その中で円買い・ドル売りも今年最大規模に膨らんできたようだ。
ところで、3月2日に3.2万枚で円のネット・ロング拡大が一巡した後は、ドル円相場もその後一カ月程度ドル高・円安に向かった。ちょうど、この当時、米長期金利が3.6%から4%へ上昇する動きになったため、円買い・ドル売りに傾斜したポジションの逆流が起こりやすかったと考えられる。ドル円相場は、3月初めの88円前半から、約一カ月で95円手前まで7%以上のドル高となった。
さて、そんな3月初め以上に円買いへ傾斜し始めた中で、最近米金利上昇が目立ってきたのは気になるところだ。米金利が一段と上昇するようなら、円買い・ドル売りに傾斜したポジションの逆流により、円売り・ドル買いが続きやすくなっているということはあるだろう。まだ株価が不安定だが、株高・金利上昇の構図が鮮明になれば、ドル買い戻し・円売り戻しが入りやすくなっていることは、頭に入れておきたいところだ。

◆7月後半戦のもう一波乱
ところで、7月のドル円値幅を2000年以降で見ると、3.4-5.6円、平均4.5円だ。7月のドル円は、最低でも3円以上の値幅になり、普通は4.5円程度の値幅になるというわけだ。
ちなみに、7月も半月が経過しつつある中で、これまでのドル安値は86.9円。かりにこれで目先のドル底打ちということなら、値幅が3円以上に拡大すると90円の大台を回復する計算になる。そして値幅が、7月平均の4.5円に拡大するなら、円安・ドル高は91円半ばまで広がる計算になるわけだ。
7月も半月程度経過する中で、ドル円の値幅はまだ2円程度にとどまっている。ただ2000年以降で調べたところ、ドル円の月間値幅が3円未満にとどまったのは5%未満の確率だった。その意味では、7月後半戦にかけて、値幅が拡大し、「もう一波乱」起こる可能性は十分ありそうだ。
問題はその方向性だが、最近のような株高・金利上昇といった流れの中では、一時86円台まで突入した円高の反動で円売り・ドル買い戻しが続きやすいと考えるのが基本だろう。(了)




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プロフィール

FXMEN

吉田 恒
1962年、青森県生まれ。1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社、2004年1月より同社の代表取締役社長就任。また、投資情報コングロマリット、T&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役にも2004年2月より就任。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。グローバル投資情報「G20マーケットインサイト」の編集責任者。また一般投資家向け為替リアルタイム市況「fx wave」の運営責任者、さらに一般投資家向けの為替および株式講演会を精力的に全国展開している。2000年からの米株バブル崩壊暴落、2002年の円急落、昨年2007年8月の円急騰など大相場予測の精度に定評がある。「わかりやすい、役に立つ、当たる」として顧客満足度の高さではFX界随一との呼び声が高い。

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